その品の行方

作ったものを使ってもらえるのは嬉しい。
無駄にしたくないっていう打算的感情は多少あるけれど、自分の行動価値を認めてもらえるって感覚。
前にも、そんなことを書いた気がするわね。
だから露店で衣類を売るとき、明らかに精霊のエサ用ってコレスドレスみたいのは別だけど、誰が買っていったかってのは、ずっと覚えてる。

さらにそれを、ずっと使ってくださるってのは無上に嬉しい。
以前、当時ギルドメンバーだったちもさんに、魔法学校女子制服を作って、買ってもらったことがある。
そんなに出来もよくなかったそれを、彼女は色を変えたりしつつ、ずっと着続けてくれている。
今だから言ってしまうと、トレーニングは終わっていたし、材料費も馬鹿にはならなかったけど。
それでも、ホントに作ってよかったなあと、しみじみ思う。
見るたびに嬉しくなる、幸せになる。


････はぁ。
実はね、ダンバで、とある露店を見つけたんです。
売ってたんですよ、ミドルクラシックレザーアーマー。
私の覚えのある品と、色が完璧に同じで、耐久は１つ少なかったけど保護の値も同じで。
なにより、露店主が、私の作ったミドルレザーを買ってくれた人の名前で。

それって、この売ってるやつ、どう考えても、私が作ったものよね？

多少、熟練がたまってたから、暫くは使っていてくださったんでしょうね。
それで、修理して削れちゃったから嫌になったのか、他のものが良くなったのか。
買ってしまえば、その人のもので、使わなきゃいけないって決まりは（当たり前だけど）ないし、どう扱おうと、とやかく言える筋合いじゃないんだけど。

でも、あー、なんか微妙にショック －－；